株価が急落した日、新NISAの積立はどうする?やってはいけない3つと判断表【2026年】
答え:株価が急落した日でも、新NISAの積立は基本的に「止めない・売らない・慌てて一括で買い増さない」のが原則です。積立は、価格が下がった時期に同じ金額でより多くの口数を買える仕組みです。ただし、生活費まで投資に回している人や、不安で眠れないほど負担が大きい人は、積立額を下げる見直しを考えましょう。→ 状況別の判断表を見る
2026年11月6日、日経平均株価は前日より3,643円安い5万7,434円で取引を終えました。下げ幅は終値として過去3番目の大きさで、節目の6万円を約半年ぶりに割り込みました。2日前の11月4日にも893円安となっており、新NISAで積み立てをしている人の中には、証券口座の評価額を見て青ざめた人も多いのではないでしょうか。
「このまま下がり続けたらどうしよう」「いったん売って、落ち着いたら買い直したほうがいいのでは」――急落の日は、そんな気持ちになるのが自然です。ですが、急落の日に感情で動くと、長期の積立投資ではかえって損をしやすいことが知られています。
この記事では、今回の急落で何が起きたのかを日付と数字で整理したうえで、過去の急落の例、急落の日にやってはいけない3つのこと、新NISAの仕組みで知っておくべき点、そして「積立を続けるか、見直すか」を状況別に判断する表をまとめました。投資の判断はご自身で行う必要がありますが、そのための材料として読んでください。

この記事の前提
- 特定の銘柄や商品の売買をすすめるものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。
- 株価の数字は、2026年11月6日時点の報道をもとにしています。
- 過去の値動きは、将来の値動きを保証するものではありません。
2026年11月の株価急落|何が起きたのか
まず、11月に入ってからの値動きを確認しておきます。
| 日付 | 日経平均の動き | 主な背景として報じられたこと |
|---|---|---|
| 2026年11月4日 | 893円安の6万2,188円で3日続落。取引中には一時3,051円安まで下落 | 米中間選挙で民主党が上下両院の過半数を取る見通しとなり、AI・半導体関連株を中心に売り |
| 2026年11月5日(米国) | ナスダック総合指数が5.52%下落、半導体株指数(SOX)が12%超下落 | AIデータセンターへの規制強化への警戒、AI投資が利益を生むのかという不安 |
| 2026年11月6日 | 3,643円安の5万7,434円。下げ幅は終値として過去3番目。取引中には一時4,332円安 | 前日の米国株の急落を受け、AI関連を中心に幅広い銘柄が売られた |
報道では、今回の急落の背景として、米中間選挙の結果だけでなく、AIへの過剰投資への不安、金利の上昇、中東情勢の長期化への懸念などが重なったと指摘されています。原因がひとつではないため、「いつ下げ止まるか」を正確に言い当てることは誰にもできません。

評価額が下がっても、売らなければ損は確定していない
証券口座の評価額が大きく減っていると、お金を失ったように感じます。ですが、投資信託を売らずに持っている限り、その損はまだ「評価上の損」です。損が確定するのは売ったときです。長期の積立では、評価額の上下は途中経過にすぎないという前提を、まず思い出しておきましょう。
過去の急落はどうなった?2024年8月の例
急落はこれが初めてではありません。記憶に新しいのは、2024年8月の急落です。
| 日付 | 日経平均の動き | 終値 |
|---|---|---|
| 2024年8月5日(月) | 4,451円安(下落率12.40%)。当時の過去最大の下げ幅 | 3万1,458円 |
| 2024年8月6日(火) | 3,217円高(上昇率10.23%)。当時の過去最大の上げ幅 | 3万4,675円 |
出典:三菱UFJアセットマネジメントの解説資料(2024年8月8日)
このときは、過去最大の下げの翌日に過去最大の上げが来ました。そして、2026年の日経平均は、急落した今でも5万円台後半にあります。急落の日に慌てて売った人は、その後の上昇を取り逃がしたことになります。
もちろん、いつも同じように回復するとは限りません。下落が長く続いた時期もあります。大切なのは、「すぐ戻るはず」と期待することではなく、下がった状態が続いても生活に困らない形で投資を続けることです。

急落の日の翌日に何が起きるかは、誰にも分からない
急落の翌日に大きく反発することもあれば、さらに下がることもあります。専門家の見方も分かれるのが普通です。「明日は戻るか」を当てにいくより、自分の積立のルールを守るほうが、長い目で見て結果につながりやすいと考えられています。
株価が急落した日に、やってはいけない3つのこと
急落の日は、何かをしなければという気持ちになりがちです。ですが、長期の積立投資では、次の3つは避けたほうがよい行動として、多くの解説で共通して挙げられています。

1. 積立の設定を止めてしまう
積立を止めると、価格が下がっている時期に買える口数を、自分から手放すことになります。毎月同じ金額で買う積立は、価格が高いときには少なく、安いときには多く買える仕組みです。たとえば毎月1万円ずつ、1口1万円・8,000円・1万円の3か月で買うと、買えるのは1口・1.25口・1口の合計3.25口で、1口あたりの平均の買値は約9,231円になります。下がった月があるからこそ、平均の買値が下がるのです。
2. 怖くなって全部売ってしまう
急落の日に売ると、評価上の損がそのまま確定します。しかも、新NISAで売った分の非課税枠が使えるようになるのは翌年です。その年の残りの枠でしか買い直せないため、「落ち着いたら買い直す」つもりでも、思うように買い戻せないことがあります。
3. 生活費まで使って、慌てて一括で買い増す
逆に「安くなったから今が買い時」と、生活費や近いうちに使う予定のお金まで一括で投資するのも危険です。そこからさらに下がった場合に、生活費が足りなくなって安値で売らざるを得なくなるおそれがあります。買い増しをするなら、余裕資金の範囲で、何回かに分けて行うのが基本です。
新NISAの仕組みで、急落の前に知っておきたいこと
新NISAの仕組みを知っておくと、急落の日に慌てて動くことの不利な点が分かります。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年間の投資枠 | つみたて投資枠 120万円、成長投資枠 240万円(合計360万円) |
| 生涯の非課税保有限度額 | 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで) |
| 売却したときの枠 | 売った商品の買ったときの金額(簿価)分の枠が、翌年に復活する |
| 損が出たとき | NISA口座の損失は、ほかの口座の利益と相殺(損益通算)できない |
出典:金融庁「NISA特設ウェブサイト」
売った枠は「翌年」まで戻らない
新NISAでは、売った分の枠は翌年に復活します。つまり、年の途中で売ってしまうと、その年に使える枠が減ったままになります。急落の日に売って、数日後に買い直そうとしても、年間の枠を使い切っていれば買い直せないことがあります。
NISAの損は、ほかの口座の利益と相殺できない
特定口座などの課税口座では、損失をほかの利益と相殺して税金を減らせる場合があります。ですが、NISA口座で出た損失は、それができません。NISAは「長く持って、利益が出たときに非課税で受け取る」ための仕組みだと考えておくと、急落の日に売る理由が小さくなります。
積立を続けるか、見直すか|状況別の判断表
「止めない」が原則とはいえ、すべての人が同じ行動をとればよいわけではありません。自分の状況に近いものを、下の表で確認してください。
| あなたの状況 | おすすめの行動 | 理由 |
|---|---|---|
| 生活防衛資金(生活費の数か月〜半年分)が別にあり、積立額も無理がない | 積立をそのまま続ける | 下がった時期に多くの口数を買えている。生活に影響がないなら、動く理由はない |
| 生活防衛資金が足りず、積立のせいで貯金が増えていない | 積立額を下げ、まず現金を貯める | 急な出費のときに、安値で売らざるを得なくなるのを防ぐ |
| 評価額を見るのがつらく、仕事や睡眠に影響が出ている | 積立額を下げる。アプリを毎日見ない | 続けられる金額でないと、いつか一番悪いタイミングで売ってしまう |
| 数年以内に使う予定のお金(住宅の頭金・教育費など)を投資している | 使う時期と金額を書き出し、取り崩す計画を立てる | 使う時期が近いお金は、値動きの大きい商品に置かないのが基本 |
| 余裕資金があり、買い増しを考えている | 何回かに分けて買う | 底を当てるのは難しいため、時期を分けてリスクを抑える |
迷ったときは、「この積立は、下がった状態が2〜3年続いても続けられるか」と自分に聞いてみてください。答えが「はい」なら、続ける。「いいえ」なら、続けられる金額に下げる。それが、長く投資を続けるためのいちばん現実的な判断基準です。

生活防衛資金と投資のバランスを見直す
急落の日に慌てるかどうかは、実は投資の金額よりも、手元の現金の厚さで決まることが多いものです。
生活防衛資金の目安
病気や失業、急な修理などに備える現金は、生活費の数か月分から半年分程度を目安とする考え方が一般的です。共働きか片働きか、会社員か自営業かによっても必要な金額は変わります。自営業の人や、収入が安定しない人は多めに持っておくと安心です。
積立額を下げるのは「負け」ではない
積立額を下げることに、後ろめたさを感じる必要はありません。続けられる金額で長く続けることのほうが、無理な金額で始めて途中でやめるより、結果的にお金が増えやすいと考えられています。証券会社の積立設定は、多くの場合、毎月の金額をいつでも変更できます。

利上げ・住宅ローンと一緒に考える|家計全体のお金の置き場所
今回の急落の背景には、金利の上昇もあると報じられています。金利が上がる局面では、投資だけでなく、住宅ローンや預金も含めた家計全体で、お金の置き場所を考えることが大切です。
住宅ローンの繰り上げ返済と、積立のどちらを優先するか
変動金利で住宅ローンを借りている人は、利上げで返済が増える可能性があります。手元のお金を「繰り上げ返済」「預金」「NISAの積立」のどれに回すかは、生活防衛資金を確保したうえで考えるのが基本です。利上げで住宅ローンの返済がいくら増えるかは、金利が上がったときの住宅ローン返済額の早見表で、借入額別に試算しています。
証券会社やカード積立の見直しは、落ち着いてから
急落の日に証券会社を乗り換えたり、積立の商品を変えたりする必要はありません。見直すなら、市場が落ち着いてから、手数料やカード積立のポイント還元などを比べて決めましょう。証券会社ごとの違いは新NISAで使う証券会社の比較にまとめています。
急落の日に確認する5つのチェックリスト
評価額を見て不安になったら、売る・止めるを決める前に、次の5つを順番に確認してみてください。

1生活防衛資金(生活費の数か月〜半年分)は、投資とは別に現金で確保できているか
2いま投資しているお金の中に、数年以内に使う予定のお金が混ざっていないか
3毎月の積立額は、収入が少し減っても払い続けられる金額か
4投資している商品は、自分が中身を説明できるものか(何に投資しているのか)
5この積立を始めたときの目的と期間(例:20年後の老後資金)は変わっていないか
5つとも「はい」なら、急落の日に何かを変える必要はほとんどありません。どれかが「いいえ」なら、そこだけを落ち着いて見直しましょう。売る・止めるかどうかは、そのあとで考えても遅くありません。
投資している商品によって、急落の受け止め方は違う
同じ「株価の急落」でも、何に投資しているかで、評価額の動きは変わります。
全世界株・米国株のインデックスファンド
全世界株や米国株(S&P500など)に連動する投資信託は、日経平均ではなく海外の株価と為替の両方の影響を受けます。今回は米国の半導体株が大きく下がったうえ、11月4日には円高ドル安も進みました。円高になると、外国の資産を円に直した評価額は下がるため、株価の下落と円高が重なると、評価額は二重に下がって見えることがあります。
日本株のインデックスファンド
日経平均やTOPIXに連動する投資信託は、今回の下落の影響を直接受けています。とくに日経平均は、値がさの半導体関連株の動きに左右されやすい特徴があります。
個別株やテーマ型の投資信託
AIや半導体など、特定のテーマに集中した商品は、そのテーマが売られると値動きが大きくなります。成長投資枠でこうした商品を持っている人は、自分の資産全体の中で、その割合が大きくなりすぎていないかを確認しておきましょう。

年代別|急落の日の考え方
投資できる期間の長さによって、急落の意味は変わります。
20〜30代:時間を味方にできる
投資できる期間が長いので、急落は「多くの口数を安く買える時期」と考えやすい年代です。積立を続けることに加えて、生活防衛資金をしっかり作り、転職や結婚などのライフイベントで慌てて売らなくて済むようにしておきましょう。
40〜50代:使う時期が近いお金を分けておく
教育費や住宅ローンなど、まとまったお金が必要な時期と、老後資金づくりが重なる年代です。数年以内に使うお金は値動きの大きい商品に置かず、老後資金として長く置けるお金だけで積立を続けるのが基本です。
60代以降:取り崩しの計画を先に立てる
退職後に資産を取り崩していく人は、急落の時期に大きく取り崩すと、資産の減りが早くなります。数年分の生活費を現金で持っておき、急落の時期にはその現金から使う、という計画を立てておくと安心です。

不安が消えないときは、家計全体をFPに見てもらう
急落のたびに不安になるのは、投資の金額が家計に対して大きすぎるか、お金の置き場所の全体像が見えていないことが原因の場合があります。自分ひとりで判断しにくいときは、家計全体を見てくれるファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのも一つの方法です。

特定の銘柄の売買をすすめてもらう場ではなく、「生活防衛資金はいくら必要か」「積立額は無理がないか」「住宅ローンや教育費とのバランスはどうか」を一緒に整理してもらう場として使うのがおすすめです。相談は無料で、その場で契約する必要はありません。
相談窓口ごとの違いは無料FP相談の窓口の違いで比べています。老後に必要なお金の考え方は老後2000万円問題の考え方に、毎月の支出の見える化は夫婦で共有できる家計簿アプリに、固定費の削り方は暮らしの固定費を下げる手順に、独身の人の相談先は独身者の家計相談の窓口にまとめています。

まとめ|急落の日こそ、自分の積立のルールを守る
- 2026年11月6日の日経平均は3,643円安の5万7,434円。下げ幅は終値として過去3番目で、約半年ぶりに6万円を割り込んだ
- 2024年8月には、当時の過去最大の下げの翌日に、当時の過去最大の上げが来た。ただし、いつも同じように戻るとは限らない
- 急落の日にやってはいけないのは「積立を止める」「全部売る」「生活費まで一括で買い増す」の3つ
- 新NISAで売った枠は翌年まで戻らず、損失はほかの口座と相殺できない
- 続けられない金額なら、積立額を下げるのは前向きな見直し。迷ったら家計全体を相談する
株価の急落は、積立投資を続けていれば何度も経験することです。大切なのは、下がった日に正しい答えを当てることではなく、下がっても続けられる仕組みを先に作っておくことです。

よくある質問
株価が急落したら、新NISAの積立は止めたほうがいいですか?
急落の日に売って、下がり切ったところで買い直すのはダメですか?
2026年11月6日の下落はどのくらいの大きさでしたか?
新NISAで損が出たら、税金で取り戻せますか?
安くなった今、まとまったお金で買い増しをしてもいいですか?
積立額を下げると、損をしますか?
投資について誰に相談すればいいですか?
この記事の調査・評価方法と出典
この記事は、2026年11月6日時点で確認できた株価の報道、金融庁の新NISAの解説、運用会社の解説資料をもとに、KURASHI ZUKAN編集部がまとめました。積立の平均買値の例は、編集部が単純な計算で示したものです。特定の銘柄や商品の売買をすすめるものではなく、投資の判断はご自身の責任で行ってください。
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- 三菱UFJアセットマネジメント「2024年8月の日本株の急落と急反発」解説資料(2024年8月8日)
- 金融庁「NISA特設ウェブサイト」

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