介護・看護の仕事の統計2026|必要数・年収・有効求人倍率
「介護や看護の仕事は人手不足と聞くけれど、実際どれくらい足りないのだろう」。転職や復職を考えるとき、求人サイトの宣伝ではなく、国の統計で全体の状況を確かめておくと判断がしやすくなります。
この記事では、厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(2024年7月12日)と、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の職業別データをもとに、介護職員の必要数、介護・看護の職業別の年収と有効求人倍率、国家試験の合格率を整理しました。数値は公表資料から転記し、計算値はその旨を明記しています。
先に結論|数字で見る介護・看護の仕事2026
- 介護職員は2022年度に215万人。厚生労働省は2026年度に約240万人、2040年度に約272万人が必要と見込んでいます。
- 有効求人倍率(令和7年度)は、訪問介護員28.37倍、ケアマネジャー6.13倍、施設介護員2.96倍、看護師2.38倍(job tag)。
- 年収は看護師524.7万円、ケアマネジャー441.3万円、施設介護員388.0万円、訪問介護員381.9万円(job tag)。
- 国家試験の合格率は介護福祉士70.1%(第38回)、看護師88.3%(第115回)です。
介護職員は何人必要か|2040年度に約272万人

厚生労働省が2024年7月12日に公表した推計では、介護職員の数は2022年度に215万人でした。各自治体の第9期介護保険事業計画をもとにすると、2026年度には約240万人(2022年度比で約25万人増、年6.3万人のペース)、2040年度には約272万人(同じく約57万人増、年3.2万人のペース)が必要になると見込まれています。
| 年度 | 介護職員数 | 2022年度からの増加 | 1年あたりの増加ペース |
|---|---|---|---|
| 2022年度(実績) | 215万人 | — | — |
| 2026年度(必要数) | 約240万人 | 約25万人 | 6.3万人/年 |
| 2040年度(必要数) | 約272万人 | 約57万人 | 3.2万人/年 |
出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(2024年7月12日)。
「必要数」の読み方
ここでいう必要数は、自治体が見込んだ介護サービスの量をもとにした推計です。実際に働く人の数ではないため、必要数と実際の人数の差がそのまま「不足数」になるわけではありませんが、介護の現場で人を確保し続ける必要があることを示す数字です。
職業別の有効求人倍率|訪問介護員は28.37倍

job tagに掲載されている令和7年度の有効求人倍率(全国)を並べると、介護・看護の仕事はいずれも1倍を大きく上回っています。なかでも訪問介護員(ホームヘルパー)は28.37倍と、ほかの職業と比べて極端に高い数字です。
訪問介護員の数字が突出している理由の読み方
有効求人倍率は、ハローワークに出された求人数を求職者数で割った数字です。訪問介護員は求職者が少ない一方で求人が多いため、倍率が大きくなります。ハローワーク以外の転職サイト経由の求人や求職者は含まれていない点にも注意してください。28.37倍はjob tagの表示値をそのまま掲載しています。
ケアマネジャーも6.13倍
介護支援専門員(ケアマネジャー)の有効求人倍率は6.13倍で、年齢(全国)は53.1歳と、4つの職業の中で最も高くなっています。経験を積んだ介護職がケアマネジャーに進む道も、人手が求められている分野です。
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職業別の年収|看護師524.7万円、介護職は380万円台

同じjob tagの年収(令和7年賃金構造基本統計調査を加工)を比べると、看護師が524.7万円、ケアマネジャーが441.3万円、施設介護員が388.0万円、訪問介護員が381.9万円でした。
| 職業 | 年収 | 有効求人倍率 | 求人賃金(月額) | 年齢 | 労働時間(月) | 就業者数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 看護師 | 524.7万円 | 2.38倍 | 26.6万円 | 42.1歳 | 156時間 | 1,385,950人 |
| 介護支援専門員(ケアマネジャー) | 441.3万円 | 6.13倍 | 26万円 | 53.1歳 | 161時間 | 532,710人 |
| 施設介護員 | 388.0万円 | 2.96倍 | 22.5万円 | 45.3歳 | 162時間 | 1,358,960人 |
| 訪問介護員(ホームヘルパー) | 381.9万円 | 28.37倍 | 24.5万円 | 51.2歳 | 163時間 | 275,770人 |
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)の各職業ページ(看護師・介護支援専門員・施設介護員・訪問介護員)。年収・年齢・労働時間は令和7年賃金構造基本統計調査、有効求人倍率・求人賃金は令和7年度ハローワーク求人統計、就業者数は令和2年国勢調査を加工した値です。
年収と求人倍率は逆向き
介護・看護の4職業では、求人倍率が最も高い訪問介護員の年収が最も低く、求人倍率が最も低い看護師の年収が最も高い、という関係になっています。仕事の見つけやすさと年収は別の軸として考える必要があります。
職業ごとに見る|仕事内容とデータ

4つの職業について、主な仕事内容とjob tagのデータをまとめます。仕事内容は一般的な内容で、職場によって違いがあります。
看護師|年収524.7万円・求人倍率2.38倍
病院・診療所・訪問看護ステーション・介護施設などで、医師の指示のもとで診療の補助や療養上の世話を行います。就業者数は138万5,950人(令和2年国勢調査を加工)と、4職業の中で最も多い職業です。求人賃金(月額)は26.6万円、年齢(全国)は42.1歳でした。夜勤のある病棟勤務と、日勤中心のクリニック・訪問看護では働き方が大きく変わります。
介護支援専門員(ケアマネジャー)|年収441.3万円・求人倍率6.13倍
介護が必要な人やその家族の相談に乗り、介護サービスの計画(ケアプラン)を作って事業者との調整を行います。介護福祉士などの資格と実務経験を経て、試験と研修で資格を取るのが一般的です。年齢(全国)は53.1歳で、4職業の中で最も高く、経験者が担う仕事であることがうかがえます。
施設介護員|年収388.0万円・求人倍率2.96倍
特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで、食事・入浴・排せつなどの介助や生活の支援を行います。就業者数は135万8,960人と、介護の職業の中で最も多くの人が働いています。求人賃金(月額)は22.5万円、労働時間は月162時間でした。夜勤がある施設が多く、シフト勤務が基本です。
訪問介護員(ホームヘルパー)|年収381.9万円・求人倍率28.37倍
利用者の自宅を訪問して、身体介護や家事などの生活援助を行います。年齢(全国)は51.2歳で、就業者数は27万5,770人です。求人倍率が28.37倍と極端に高く、人の確保が特に難しい職業です。1日に複数の家を回るため、移動の負担や、1人で対応する場面が多い点も施設介護との違いです。
数字で見る「人手不足」の大きさ
厚生労働省の推計を年単位に直すと、2022年度から2026年度までは毎年6.3万人、2026年度から2040年度までを含めた2022年度からの平均では毎年3.2万人のペースで介護職員を増やす必要があります。
| 期間 | 必要な増加数 | 1年あたり |
|---|---|---|
| 2022年度→2026年度(4年) | 約25万人 | 約6.3万人 |
| 2022年度→2040年度(18年) | 約57万人 | 約3.2万人 |
出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(2024年7月12日)。
介護の仕事を辞める人もいるため、実際に必要な採用数はこれより多くなります。有効求人倍率の高さは、こうした人の確保の難しさが数字として表れたものといえます。求人が多いぶん、働く側は条件を比べて選びやすい状況でもあります。
国家試験の合格率|介護福祉士70.1%・看護師88.3%

| 資格 | 回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 介護福祉士 | 第38回 | — | — | 70.1% |
| 看護師 | 第115回 | 59,614人 | 52,666人 | 88.3% |
| 保健師 | 第112回 | 7,467人 | 6,502人 | 87.1% |
| 助産師 | 第109回 | 2,046人 | 2,040人 | 99.7% |
出典:厚生労働省の合格発表。介護福祉士は合格率のみ掲載。ほかの資格を含む一覧は国家資格の合格率一覧にまとめています。
介護福祉士は実務経験や養成施設の卒業など、看護師・保健師・助産師は養成課程の修了が受験の条件です。合格率が高いのは、受験の時点で準備を終えた人に絞られているためです。
統計から考える、介護・看護の職場選び

- 求人は多い。条件で比べる:どの職業も有効求人倍率は1倍を大きく上回っています。給与だけでなく、夜勤の有無、休日、通勤時間、雇用形態を先に決めておくと比較しやすくなります。
- 訪問か施設かで働き方が変わる:訪問介護員は求人倍率が特に高く、施設介護員は就業者数が多い職業です。1日の流れや移動の有無が大きく違うので、自分の生活に合うほうを選ぶのが長く続けるコツです。
- 資格でキャリアを広げる:介護福祉士からケアマネジャーへ進むと、年収(job tag)は施設介護員の388.0万円からケアマネジャーの441.3万円の水準になります。
介護・看護の求人サイトは、扱う職種や雇用形態、地域の求人数がサイトごとに違います。登録無料で使える主な求人サイトの違いは介護・看護の求人サイトの比較で整理しています。薬剤師の統計は薬剤師の統計データをご覧ください。
まとめ|介護は2040年度に約272万人が必要
厚生労働省の推計では、介護職員は2022年度の215万人から、2026年度に約240万人、2040年度に約272万人が必要になります。job tagの有効求人倍率は訪問介護員28.37倍、ケアマネジャー6.13倍、施設介護員2.96倍、看護師2.38倍と、どれも人が求められている職業です。
一方で年収は看護師524.7万円に対し、介護職は380万円台と差があります。求人の多さを生かして、働き方や条件で職場を選ぶことが大切です。統計が更新されたら、この記事も更新します。
よくある質問
介護職員はあと何人必要ですか?
介護の仕事の有効求人倍率は?
看護師の年収と有効求人倍率は?
介護職の年収は?
介護福祉士の合格率は?
この記事の調査・評価方法と出典
介護職員の数と必要数は、厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(2024年7月12日公表)から転記しました。職業別の年収・有効求人倍率・求人賃金・年齢・労働時間・就業者数は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の各職業ページから2026年10月31日に転記しました。国家試験の合格率は厚生労働省の合格発表によります。訪問介護員の有効求人倍率28.37倍は、job tagの表示値を2回確認したうえで掲載しています。
出典
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(2024年7月12日)
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)介護の職業
- job tag「看護師」
- 厚生労働省 第115回看護師国家試験ほか合格発表
ほかのテーマの公的統計はKURASHI ZUKANのデータ集にまとめています。
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