確定申告が必要になる人2027|副業20万円・ふるさと納税・医療費
- 「しなければならない申告」と「したほうが戻ってくる申告」は別ものです。医療費控除やふるさと納税は後者で、やらなくても違反にはなりません。
- 副業の20万円は売上ではなく所得(収入−必要経費)です。ここを取り違えると、必要ない申告をしたり、必要な申告を落としたりします。
- ふるさと納税は寄付先が6自治体以上ならワンストップ特例が使えず、確定申告に切り替わります。5自治体以内でも、申告をするなら寄付分も申告に含めます。
- 20万円以下で所得税の申告が不要でも、住民税の申告は別に必要です。これは市区町村の手続きで、税務署の話ではありません。
「必要」と「したほうが得」を先に分ける
確定申告の話がややこしくなるのは、性質の違う2つが同じ言葉で語られるからです。まずここを分けてください。

しなければならない申告
条件に当てはまる人は、申告しないと無申告になります。副業の所得が一定額を超えた、給与を2か所以上から受けている、といったケースです。期限を過ぎると加算税や延滞税の対象になります。
したほうが戻ってくる申告
医療費控除、ふるさと納税、住宅ローン控除の初年度など、申告することで納めすぎた税金が戻る(または住民税が下がる)ものです。やらなくても違反ではありませんが、放っておくと戻りません。
「医療費控除をしたいけれど副業の所得が20万円以下」という場合、申告をするなら20万円以下の所得も申告書に書きます。20万円ルールは「申告しなくてよい」という特例なので、申告する以上は全部を載せることになります。
会社員で申告が必要になる代表例
給与を1か所から受けていて年末調整を受けている人は、原則として申告は不要です。そこから外れるのが次のケースです。
- 1給与以外の所得が20万円を超えた:副業、原稿料、フリマの営利的な販売、暗号資産の利益など
- 2給与を2か所以上から受けている:年末調整をしていないほうの給与と他の所得の合計で判定します
- 3給与の年収が2,000万円を超えた:この場合は年末調整そのものが行われません
- 4年の途中で退職して年末調整を受けていない:納めすぎになっていることが多く、申告すると戻る場合があります
このほか、同族会社の役員が会社から貸付金の利子や賃貸料を受けている場合など、金額にかかわらず申告が必要になるケースがあります。当てはまりそうなときは、国税庁の案内で条件を確認してください。
「20万円」でよくある勘違い
この数字は広く知られているぶん、誤解も多く残っています。3つに整理します。

①売上ではなく所得
20万円は収入から必要経費を引いた金額です。売上が30万円でも、経費が15万円かかっていれば所得は15万円で、この条件では申告不要の側になります。逆に売上が22万円で経費がほぼ無ければ、超えます。経費として認められる範囲は業務との関連で決まるので、レシートと支払いの記録は残しておいてください。
②20万円以下でも住民税の申告は必要
20万円ルールは所得税の話で、住民税には同じ特例がありません。所得税の確定申告をしない場合は、お住まいの市区町村へ住民税の申告をすることになります。手続きの方法は自治体によって違うので、市区町村のページで確認してください。
③申告するなら20万円以下も書く
医療費控除やふるさと納税のために確定申告をする場合、20万円以下の副業所得も申告書に含めます。「20万円以下だから書かなくていい」は、確定申告をしない人に向けた特例です。ここを落とすと、申告内容が不足していることになります。
ふるさと納税で申告が必要になる分岐
ふるさと納税は、ワンストップ特例を使えば確定申告をせずに住民税から控除されます。ただし条件があり、外れると確定申告に切り替わります。
ワンストップ特例が使える条件
もともと確定申告をする必要がない給与所得者であること、そして1年間の寄付先が5自治体以内であること。この2つが条件です。同じ自治体に複数回寄付しても1自治体として数えます。申請書は寄付ごとに提出が必要で、提出期限は翌年の1月10日必着です。
6自治体以上に寄付した場合
特例は使えないので、確定申告で寄付金控除として申告します。条件の詳細はワンストップ特例の解説記事にまとめています。寄付先が多くなりそうなら、最初から確定申告するつもりで寄付証明書をまとめておくほうが楽です。
確定申告をするとワンストップの申請は無効になる
これが一番の落とし穴です。ワンストップの申請を出していても、あとから確定申告をするとその申請は無効になります。医療費控除のために申告した結果、ふるさと納税の控除が消えていた、という事故が起きるのはこのためです。申告するなら、寄付分も必ず一緒に申告してください。

医療費控除のライン
医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えたときに使えます。「10万円」が有名ですが、それだけではありません。
10万円か、所得の5%か
その年の総所得金額等が200万円以上の人は10万円、200万円未満の人は総所得金額等の5%が基準になります。所得が低い人ほどラインが下がる仕組みです。パートや年金だけの年は、10万円に届かなくても対象になることがあります。
保険金などで補填された分は差し引く
入院給付金や高額療養費など、受け取ったお金は支払った医療費から差し引きます。差し引くのはその給付の対象となった医療費からだけで、他の医療費からは引きません。ここを全体から引いてしまうと、控除額を少なく見積もることになります。
セルフメディケーション税制とは選択
対象の市販薬の購入額が一定を超えた場合に使える制度がありますが、通常の医療費控除との併用はできず、どちらかを選ぶことになります。両方の条件を満たす年は、金額を計算して有利なほうを選んでください。
5つの入口を同じ条件で並べた
ふるさと納税の寄付先を探すサイトと、家計全体を相談できる無料の窓口を、入口(申し込むと何が起きるか)でそろえています。いずれも税務相談の窓口ではありません。申告の要否や書き方は税務署か税理士にご確認ください。
| サービス | 種類 | 入口 | 向いている人 | 確認する点 | 公式 |
|---|---|---|---|---|---|
| さとふる | ふるさと納税サイト | 寄付の申込 | 返礼品から選びたい | ワンストップ申請書の送付方法 | 公式で確認 |
| ふるさと本舗 | ふるさと納税サイト | 寄付の申込 | 食品の返礼品を中心に見たい | 寄付証明書の発行時期 | 公式で確認 |
| ふるさと納税ニッポン | ふるさと納税サイト | 寄付の申込 | 口コミや評価で選びたい | 掲載自治体の範囲 | 公式で確認 |
| おかねと暮らしの相談窓口 | FPへの無料相談 | 相談の申し込み | 家計全体を見直したい | 相談の対象範囲(税務相談ではない) | 公式で確認 |
| 保険のトータルプロフェッショナル | FPへの無料保険相談 | 相談の申し込み | 医療費と保険のバランスを見たい | 対象となる職業・年収の条件 | 公式で確認 |
※分類は各社の公表情報にもとづく編集部の整理です。制度の判定は行っていません。控除額や申告の要否は国税庁・お住まいの市区町村の案内をご確認ください。
寄付先を探すときに見るところ
ふるさと納税サイトはどこで寄付しても控除の仕組みは同じです。違うのは掲載している自治体と返礼品、そして手続きのしやすさです。
さとふる|ワンストップ申請の手続きが分かりやすい
- 種類
- ふるさと納税サイト
- 入口
- 寄付の申し込み
- 確認する点
- ワンストップ申請書の送付方法と、寄付証明書の届き方
寄付のあとに必要な手続き(申請書の記入と送付)の案内が整理されています。5自治体以内で済ませるつもりなら、申請書の提出期限が翌年1月10日必着であることだけは覚えておいてください。年末に駆け込みで寄付すると、この期限に間に合わないことがあります。
ふるさと本舗|食品の返礼品が中心
- 種類
- ふるさと納税サイト
- 入口
- 寄付の申し込み
- 確認する点
- 寄付証明書の発行時期と、返礼品の発送時期
食品を中心に扱っているサイトです。返礼品の発送時期が季節で決まっているものがあるため、寄付の申し込みと届く時期がずれることがあります。証明書の発行時期も合わせて確認しておくと、申告の準備がしやすくなります。
ふるさと納税ニッポン|口コミと評価から探せる
- 種類
- ふるさと納税サイト
- 入口
- 寄付の申し込み
- 確認する点
- 掲載されている自治体の範囲
返礼品に対する評価やクチコミを見ながら選べる形です。自治体数はサイトによって差があるので、目当ての自治体があるなら掲載の有無を先に確認してください。
口コミと返礼品を見る※ふるさと納税ニッポン公式サイトへ移動します
申告の前に、家計側を整理したい場合
控除の話は、そもそも何にいくら使っているかが分からないと判断できません。とくに保険は、医療費控除の計算で「補填された金額」として関わってきます。ここが整理できていないと、毎年同じところで手が止まります。

おかねと暮らしの相談窓口|FPへの無料相談
- 種類
- ファイナンシャルプランナーへの無料相談
- 入口
- 相談の申し込み
- 確認する点
- 相談できる範囲(税務相談は含まれません)
家計の全体像や、保険・住まい・教育費といった支出の組み立てを相談する窓口です。税額の計算や申告書の作成は税理士の業務にあたるため、ここでは扱われません。申告そのものの相談は税務署か税理士へ、家計の設計はこちらへ、と分けて使ってください。
無料相談の対象範囲を確認する※おかねと暮らしの相談窓口公式サイトへ移動します
保険のトータルプロフェッショナル|FPへの無料保険相談
- 種類
- 保険に絞った無料相談
- 入口
- 相談の申し込み
- 確認する点
- 対象となる職業・年収の条件
加入している保険の内容を整理したい人向けです。医療費控除では受け取った給付金を医療費から差し引くため、どんな給付が出る契約になっているかを把握しておくと計算が早くなります。申し込みには職業や年収の条件があるので、申込ページの記載を先に確認してください。
相談の条件を確認する※保険のトータルプロフェッショナル公式サイトへ移動します
申告に必要なものをそろえる
直前に集めようとすると必ず何かが足りません。年内から置き場所を決めておくと楽です。
共通で必要になるもの
源泉徴収票(会社員の場合)、マイナンバーが分かるもの、還付を受ける口座の情報。この3つはどのケースでも使います。
ケースごとに必要なもの
副業があるなら、収入と経費が分かる記録。医療費控除なら、1年分の医療費の明細(領収書の保管も必要です)。ふるさと納税なら、寄付先ごとの寄付金受領証明書。証明書は再発行に時間がかかることがあるため、届いたらまとめて保管してください。
いつ・どこで手続きするか
確定申告の期間は原則として翌年の2月16日から3月15日までです(土日の関係で前後します)。還付を受けるだけの申告は、この期間より前から提出できます。

提出の方法
税務署の窓口、郵送、そしてe-Taxがあります。e-Taxはマイナンバーカードとスマートフォン(またはICカードリーダー)があれば自宅から送信できます。医療費控除の明細書も画面上で入力できるため、領収書の集計だけ先に済ませておくと短時間で終わります。
相談したいとき
申告の内容そのものについては、税務署の相談窓口か税理士に確認してください。当編集部は個別の判定を行えません。制度の一次情報は国税庁のページにあります。
期限を過ぎるとどうなるか
必要な申告をしなかった場合、本来の税額に加えて無申告加算税がかかります。納付が遅れた期間については延滞税も発生します。金額は状況によって変わりますが、自分から早めに申告したほうが軽くなる仕組みになっています。
還付だけの申告(医療費控除やふるさと納税など)は、その年の翌年1月1日から5年間さかのぼって提出できます。去年やり忘れた分があるなら、まだ間に合う可能性があります。
まとめ|3つだけ覚えておく
ひとつ、20万円は売上ではなく所得。ふたつ、6自治体以上ならワンストップは使えない。みっつ、確定申告をするとワンストップの申請は無効になる。この3つを外さなければ、大きな取りこぼしは起きません。
そのうえで、医療費控除は10万円か所得の5%かで判定が変わり、受け取った給付金は差し引きます。判断に迷ったら、国税庁の案内を見るか、税務署に確認してください。制度は毎年細かく変わります。
よくある質問
副業の所得が20万円以下なら何もしなくていいですか?
20万円は売上のことですか、それとも利益ですか?
ふるさと納税のワンストップ特例が使えないのはどんなときですか?
ワンストップ特例を申請したあとに確定申告をするとどうなりますか?
医療費控除は10万円を超えないと使えないのですか?
去年の医療費控除を忘れていました。まだ間に合いますか?
この記事の調査・評価方法と出典
- 取得日
- 2026年8月24日
- 対象
- 給与所得者が確定申告を要する主なケースと、ふるさと納税・医療費控除の判定条件
- 取得方法
- 国税庁タックスアンサーおよび総務省ふるさと納税ポータルサイトの公表内容を編集部が確認
- そろえた条件
- 掲載サービスは「申し込むと何が起きるか」で入口をそろえ、種類で分類。制度の判定・控除額の計算は行わない
- 免責
- 当編集部は税務の個別判定を行いません。申告の要否・控除額は国税庁の案内、税務署、または税理士にご確認ください。制度は改正されます
- 国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
- 国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
- 国税庁 No.1129 セルフメディケーション税制
- 総務省 ふるさと納税ポータルサイト 控除の仕組み・ワンストップ特例
最終確認: 2026年8月
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